機動戦士ガンダムの評価と社会現象
当時、現代劇やスペースオペラでならともかく、よもや巨大ロボットという
荒唐無稽の代名詞のようなガジェットを用いて通り一遍な勧善懲悪ものではない
シリアスな作劇が可能だとは全く予想もされていなかった。
このような従来タイプのロボットアニメとのギャップのため、ターゲット層は
これを見ず、置いていかれた幼児はついてこれず、ガンダムは初回放送時の
視聴率は名古屋地区で平均9.1%、関東地区で5.3%と振るわなかった。
その結果、従来通りの子供の視聴者をターゲットにした関連玩具の売上も
伸びなかったことで、全52話の予定が43話に短縮され打ち切りとなった。
しかしその一方で、放送当時からアニメ雑誌がたびたび熱意ある特集記事を
組んだり、終盤からハイティーンを中心に口コミで徐々に評判が高まり、
後半の視聴率は、時間帯としては健闘したといえる。
当時盛んだったアニメファンによる再放送要請嘆願署名が行われ、
またアニメ誌が放送終了後もなお特集記事を組むなど熱意は衰えず、
これらを受けて再放送、再々放送が重ねられ、世間一般へ「ガンダム」が
浸透していった。
再放送では平均視聴率も10%を超え、1982年における再放送では名古屋地区で
25.7% (最高視聴率29.1%)を記録するなど、視聴率からもガンダム人気の
上昇ぶりを伺うことが出来る。
また、放送終了後に商品化権を取得したバンダイから半年後に発売された
モビルスーツのプラモデルが、『ガンプラ』と呼ばれ、低年齢層も含めて
爆発的な売れ行きを見せ、ガンダム人気を広げる一助となった。
ガンプラは大変な人気を得たことで「モビルスーツバリエーション」と
呼ばれる派生シリーズを産み、それらにおける種々の設定はアニメ雑誌に
おいて生み出された設定と合わせてガンダムの世界観をより深く掘り下げる
ものとなった。
一方で『機動戦士ガンダム』の作中における描写や「ニュータイプ」の
存在に対して、高千穂遙がSF考証の観点から批判する意見を述べ
「ガンダムSF論争」を巻き起こした。
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ウィキペディア「機動戦士ガンダム」より