機動戦士ガンダムの特徴と比較

これ以前の1970年代当時は、一般にはアニメとは子供のものであるという認識、
そして低俗なものでしかないという偏見があった。
これは『宇宙戦艦ヤマト』や『ルパン三世』といった、高年齢層の視聴にも
堪えうる物語を備えた作品の登場により徐々に認識が改まりつつあった。
しかし1972年の『マジンガーZ』によってブームとなったロボットアニメは、
従来の時代劇や冒険活劇同様、依然として基本的に勧善懲悪のストーリーで、
すなわち強い正義感を持つ主人公が操縦する強力な巨大ロボットが技と武器を
駆使し、悪の組織の敵ロボットや敵怪物を撃退し、最後に悪の組織を打ち倒して
世界に平和を取り戻すというステレオタイプな物語であった。
またロボットアニメは登場するロボットの玩具がメインスポンサーとなる
おもちゃ会社の重要な商材であり、その売れ行きが番組そのものの命運を
決めることから、主役ロボットには変形や合体など、玩具として魅力的な
ガジェット(仕掛け、機構)を備えることが求められた。
これらのために、ロボットアニメは基本的に子供向けの作品という扱いが
長らく続いていた。

これに対し、『機動戦士ガンダム』は子供より上の年齢層をターゲットとして
制作され、ロボットアニメにおいても、現実味を持たせた物語や設定によって、
高年齢層の視聴に堪えうる作品作りが可能であることを示すこととなった。
主なストーリーは政治的に対立する2つの組織による戦争の中で、偶然、試作の
軍用ロボットを操縦することになった主人公とその仲間たちが、戦火が拡大する
中で必死に生き延びていく姿を描いた群像劇である。主人公たちはもちろん、
彼らをサポートする人々や相対するジオン公国軍の兵士にも個性的な人物が多く、
それぞれが信念や思想、哲学を持ってこの戦争を生き抜いている様子も
描かれていることで、作品世界が豊かになり、厚みがあるエピソードや
ストーリーが多い。

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ウィキペディア「機動戦士ガンダム」より

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