機動戦士ガンダムの主要登場人物

『機動戦士ガンダム』の登場人物も、従来のアニメの登場人物とは
異なった性格、あるいは描かれてこなかった立場から描かれており、
それぞれの残した名台詞と相まって後の作品に多大な影響を及ぼしている。

主人公アムロ・レイは当初一介の民間人、それも機械いじりの好きな
内気な少年として登場する。
この点において従来のロボットアニメの典型的な主役像である熱血漢・
正義漢とは一線を画している。彼は急遽リーダーとなった士官候補生
ブライト・ノアとの衝突や、サイド7脱出以来の宿敵シャア・アズナブルや
モビルスーツパイロットとしても人間としても経験豊富な強敵である
ベテラン軍人ランバ・ラルとの戦い、初恋の女性マチルダ・アジャンや
兄貴分のリュウ・ホセイの死といった現実を経て人間的に成長してゆく。
さらに人類の革新「ニュータイプ」として覚醒し、超人的・英雄的活躍を
遂げる過程は、SFヒーローアニメとしての制約からはじまったといえるが、
人類の進化の過程と意義、個人のもつ戦争参加への葛藤など普遍的な問題をも
触れられており当時としては画期的であった。カイ・シデン、ハヤト・コバヤシ、
フラウ・ボゥ、ミライ・ヤシマといったホワイトベースの仲間達もそれぞれに
成長を遂げてゆく姿が描かれる。

またアムロ達のライバルとなるシャア・アズナブルは、仮面をかぶりつつも
従来からのいわゆる「美形悪役」の流れにあるキャラクターではあるが、
ジオンの独裁者ザビ家に対する復讐のためにこの戦争を巧妙に利用する
人物として設定されている。ホワイトベースに乗る妹セイラ・マスの存在に
悩む一方でニュータイプの少女ララァ・スンと出会い、さらに彼もまた
ニュータイプとして覚醒することによって、従来型の悪役を脱して人類の
進化のため独立戦争を利用するに過ぎないという高い理念を抱くようになってゆく。
アムロとシャアとの戦いは本作では完全には決着が付かず、後に
『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』において、人類の進化を企てる
シャアとそのための破壊を阻止しようとするアムロとの間でその戦いに
決着が付くこととなる。

その他、戦争を嫌悪する元軍人、戦争に加担する民間人、スパイ、
武器開発者、主人公に殺される学徒動員パイロットなどそれまでの
アニメーションでは無視されていたキャラクターを描ききっている。
この方向性はサンライズとして最初に手がけた『無敵超人ザンボット3』でも
試みられたものであったが、後の作品にまで影響を及ぼすほど徹底したのは
本作の非常に大きな特徴である。

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ウィキペディア「機動戦士ガンダム」より

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